インフルエンザの予防に漢方薬の麻黄湯は効果があるの?

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こんにちは!
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。

この記事では、インフルエンザの予防薬として、麻黄湯が効果があるかについてお話します。

 

インフルエンザの初期の発熱や関節痛に使われる漢方薬、麻黄湯(まおうとう)。

病院でも処方されることが増えてきました。

タミフルやイナビルといったインフルエンザの薬と一緒に処方されることもあります。

 

漢方薬はおだやかでやさしいイメージがあるし、副作用もなさそう。

それなら、漢方の麻黄湯もインフルエンザの予防に使えるのでは?

そう考える方もいるかもしれませんね。

確かに、インフルエンザの予防に漢方が使えたらいいですよね!
というわけで、詳しくお話ししていきます。

 

予防薬として使うことがあるインフルエンザ治療薬

リレンザと麻黄湯や葛根湯は併用可能

タミフルやイナビル、リレンザは、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。

熱が出た!
からだが痛い(関節痛)!

インフルエンザと思われる症状が出て48時間以内に飲むと、症状を平均して1日早く治す<治療薬>です。

ですが、予防的な使い方も国から認められています。

インフルエンザウイルスが体の中にはいってきても、ウィルスが増えるのを薬がおさえるので、インフルエンザにならずにすむ=発症するほどウィルスが増えずにすむというわけです。

タミフルは飲み続けて7~10日間、
イナビルは1吸入で10日間、予防効果があるといわれています。
(添付文書より)

ただし、予防薬として使う場合は、薬代は全額自費(保険がきかない全額自己負担)です。

 

「インフルエンザの西洋薬が予防に使えるのなら、同じ症状に使う麻黄湯などの漢方薬も、予防的に使えるんじゃない?」

そう思う方も多いかもしれませんが、実はちょっと違うんですね・・・。

 

漢方薬の麻黄湯はインフルエンザ予防になる?

私が働いている薬局では、
インフルエンザ患者さんや検査で陰性だけど可能性がある患者さんには、
麻黄湯(まおうとう)という漢方薬が処方されることが多いです。

こちらのブログ記事も参考にしてくださいね。
麻黄湯と葛根湯の使い分け、インフルエンザの発熱時の漢方薬の選び方

 

この麻黄湯という漢方薬は、4種類の生薬からできています。
かなりパワフルです。

なので、実際に飲むのは、1~2日間ほど。
短期決戦用の漢方薬です。

麻黄湯はドラックストアや薬局でも売っています。

市販のツムラの麻黄湯は、医療用の麻黄湯の成分の1/2量です。

by カエレバ

 

こちらは医療用の麻黄湯と同じ(満量処方)の市販の麻黄湯です。

by カエレバ

 

ビタトレール麻黄湯の添付文書より
成人(15歳以上):1回1袋
15歳未満 7 歳以上 :2/3包
7 歳未満 4 歳以上:1/2包
4 歳未満 2 歳以上:1/3包
2 歳未満: 1/4包
※1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。

 

インフルエンザのときの悪寒って、高い熱が出る前におきます。

私も経験がありますが、本当にガタガタとからだ中が震えて、寒くて寒くてしょうがありません。

これは、体が熱を出して、ウィルスと戦うためにわざとやっていること。

詳しくはこちらの記事に書いています。
風邪を早く治すために、発熱して風邪と戦う元気なからだ

 

私達の体もがんばって体温を上げようとしていますが、あともうちょっと足りません。

その不足分を、麻黄湯が補います。

なので、麻黄湯を飲むと体温が上がります。

 

でも、心配はいりません。

インフルエンザウィルスの増殖をおさえるのに必要な体温に上がり、戦いが終わったら、汗をかいて、自然と熱はさがってきます。

そこで、麻黄湯を飲むのは終了です。

わかりやすく言うと、インフルエンザの時に熱が下がったら、麻黄湯を飲むのは終了です。

 

麻黄湯にかぎらず、葛根湯なども、
体質やインフルエンザの症状にあった漢方薬をタイミングよく飲むと、症状がそれほどひどくなる前に元気になることもあります。

まるで、漢方薬が<予防>してくれたような気持ちになるかもしれません。

 

でも、インフルエンザや風邪の症状が出るまえに、<予防>のために飲む漢方薬ではないんです。

あくまでも、インフルエンザウィルスと戦う体をサポートする漢方薬。

予防にはなりませんが、早めのタイミングで飲むことで、こじらせることなく、早くスッキリ治ることが多いです。

この<早めのタイミング>というのが慣れないとなかなか難しいもの。

なんかおかしい、念のためにくらいで飲んでもいいかもしれません。

 

でも、私なら、念のためにだったら、まず葛根湯。
それから熱や寒気、腰や背中の痛み(関節痛や筋肉痛)が激しくなったら、麻黄湯を飲むをオススメします。

 

というのは、麻黄湯はパワフルな漢方薬だから。

副作用で脱水状態になってしまっては大変です!

 

麻黄湯は、インフルエンザの悪化を予防する漢方といえるとおもいます。

 

 

清水 みゆき
麻黄湯とはタイプが違う漢方薬で、
インフルエンザの発症の予防効果が報告されている漢方薬もあります。

詳しくはこちらに書いています。
子どもの風邪がすぐうつるママは漢方薬でインフルエンザ予防しよう!

 

 

ちなみに、タミフルなどのインフルエンザ薬と漢方薬は併用可能、相乗効果も期待で解説しているように、麻黄湯や葛根湯は、タミフルやイナビル、リレンザ、ゾフルーザと併用しても問題ありません。

 

まとめ

というわけで、
インフルエンザの予防薬として、麻黄湯が使えるかについてお話してきました。

麻黄湯や葛根湯といったインフルエンザの初期に使う漢方薬は、
インフルエンザの発症の予防には使えません。

でも、早めのタイミングで飲むことで、インフルエンザの悪化を予防して、からだの回復を早めることができます。

ぜひ上手につかっていきましょう!

 

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清水 みゆき

ママのためのやさしい漢方薬剤師。
漢方調剤薬局につとめる現役ママ薬剤師&ハーバルセラピスト。

私や家族の漢方体験談などはこちらをご覧くださいね。

一見、難しそうな漢方やハーブ。
家族の健康を守るママにこそ、良さを知って役立てて欲しい!と専門性を生かして活動しています。

2016年度からは、完全オリジナルの漢方やハーブのオンラインレッスンをスタート。毎回すぐにお申込みいただき、現在も継続開催中。
「やさしい言葉でわかりやすく、すぐに実践できる!」と好評いただいています。

■薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師
■JAMHA認定ハーバルセラピスト

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