薬局で買う漢方薬は確定申告で医療費控除対象になる!その見分け方

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こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。

この記事では、病院で処方された漢方薬や薬局で買った漢方薬が、確定申告で医療費控除対象になるかどうか、その見分け方について、漢方専門の薬剤師である私が解説します。

 

一定額以上の医療費を払った場合に適用される医療費控除

お薬代が少しでも戻ってくるのは、家計を預かるママとしてはうれしいですよね。

だけど、自分や家族が飲んでいる漢方薬が、
確定申告の医療費控除対象になるのかどうかわからない、
そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

というわけで、漢方薬の医療費控除について詳しくお話していきますね!

 

■こんな方にオススメです■

・薬局で買った漢方薬が確定申告の医療費控除になるかわからない方

・病院の漢方薬が確定申告の医療費控除になるかわからない方

 

確定申告の医療費控除で漢方薬は対象になる場合とならない場合がある

まず、確定申告の医療費控除には二つの大原則があります。

・医薬品であること。

・<治療や療養に必要な>医薬品の購入であること。

順番に解説していきますね^^

 

漢方薬は医薬品です

医薬品の品質や規格を定めた基準として、日本薬局方(にほんやっきょくほう)があります。

この日本薬局方に収められているものは、薬事法でいう医薬品です。

漢方薬もこの中に200種類ほどが収められています。

なので、漢方薬は医薬品です。

 

漢方薬は、西洋薬とは違うもの、だから、医薬品ではない

そういうイメージをもつ方もいるかもしれませんが、漢方薬もれっきとした医薬品です。

これで、医療費控除のための条件をひとつクリアしましたね!

 

病院で処方された漢方薬は確定申告で医療費控除できる!


漢方薬とひとことで言っても、

病院でお医者さんから処方してもらっている方もいれば、
専門家のいる漢方薬局で購入している方、
ドラックストアや薬局で自分で選んで購入している方もいて、いろいろです。

 

病院で処方された漢方薬は、
お医者さんが<治療や療養に必要>と判断した医薬品です。

更年期障害の改善のための加味逍遥散や桂枝茯苓丸、
便秘改善の麻子仁丸、
肌トラブルの改善のための消風散や温清飲など、

病院で処方された漢方薬は、全て医療費控除の対象になります。

病院でもらった処方せんを持って調剤薬局でもらった漢方薬も同じ、
パッケージされたエキス剤でも、煎じ薬でも同じです。

それでは、薬局やドラッグストアなどで購入した市販の漢方薬の場合はどうでしょうか?

 

治療に使った場合は、薬局で買った市販の漢方薬、OTCの場合も確定申告で医療費控除できる


漢方薬に限らず、市販の薬でも、風邪薬や胃薬など医療費控除の対象です。

というのは、薬事法という法律で医薬品と認められており、薬の購入=病気の治療目的と判断されます。

 

薬局やドラッグストアなどで買った漢方薬、
例えば、風邪で飲んだ葛根湯、
花粉症の鼻水がひどい時の小青竜湯など、
治療に必要な(漢方)薬なので、市販薬でも医療費控除の対象になります。
OTCも同じです。

 

クラシエの市販の葛根湯。
右上に「第2類医薬品」って、ちゃんと書いてありますよね。

by カエレバ

 

*第2類医薬品は薬の副作用や相互作用など安全性上、注意を要する薬。
漢方薬の多くはこの分類にはいります。

清水 みゆき
心配性な方は、漢方薬のパッケージの<第2類医薬品>というところを別にとっておくといいですね。

 

逆に、医療費控除の対象にならない市販の漢方薬の例を考えてみましょう。

 

便秘や高血圧、糖尿病の改善を目的とした防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という漢方薬があります。

この防風通聖散、ナイシトールという名前でも販売されています。

体質にあう方が飲むと、肥満症(つまりダイエット)にも効果があると言われています。

防風通聖散は、便秘や高血圧、糖尿病の改善の場合は、治療目的とみなされて医療費控除の対象になりますが、
ダイエット目的だと、美容や健康維持のためとなり、治療に必要だと判断されず、医療費控除の対象にはなりません。

医薬品である漢方薬でも、この場合は健康食品という扱いになります。

こんな風に、病気の予防や健康維持のために購入した医薬品は、医療費控除できないんですね。

 

国税庁HPより:漢方薬やビタミン剤の購入費用

【照会要旨】
漢方薬やビタミン剤の購入費用は、医療費控除の対象になりますか。

【回答要旨】
治療又は療養に必要な場合には、医療費控除の対象となります。

医薬品の購入費用で医療費控除の対象となるものは、治療又は療養に必要なものであることが必要です(所得税法施行令第207条)。
漢方薬やビタミン剤は、治療又は療養のために効能があるほか、疾病の予防や健康の増進にも効能があり、これらの購入費用について医療費控除を受けるためには、その漢方薬やビタミン剤が医薬品であることに加え、その費用が治療又は療養に必要なものであることが必要となります。

 

医療費控除は、さかのぼって申請することができます。

申請を忘れていた!という方は、明細書やレシートを確認してみるといいですね。
詳しくは国税庁のHPを参考にしてくださいね。

 

また、医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制も始まりました。
セルフメディケーション税制と漢方については、こちらのブログ記事に詳しく書いています。
漢方薬は新しい医療費控除、セルフメディケーション税制の対象?

 

まとめ、病院でもらった漢方薬と治療目的で買った市販薬の漢方は確定申告で医療費控除対象になる!

というわけで、病院で処方された漢方薬や薬局やドラックストアで買った漢方薬が、確定申告で医療費控除の対象になるかどうか、その見分け方について、お話してきました。

・病院で処方された漢方薬

・薬局やドラックストアで<治療目的で>買ったもので、医薬品と記載された漢方薬

この場合は、確定申告で医療費控除の対象になります。

例えば、アトピー性皮膚炎や生理痛や頭痛など、
症状や体質を改善していくために数か月、数年と長い期間、続けて漢方薬を飲むこともあります。

積み重ねた漢方薬の料金が負担になることも・・・。

そんな時、漢方薬が医療費控除出せると助かりますよね!

お薬代が少しでも戻るとうれしいもの。

漢方薬を飲んでいる方は、一度、確認してみてくださいね。

 

 

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清水 みゆき

ママのためのやさしい漢方薬剤師。
漢方調剤薬局につとめる現役ママ薬剤師&ハーバルセラピスト。

私や家族の漢方体験談などはこちらをご覧くださいね。

一見、難しそうな漢方やハーブ。
家族の健康を守るママにこそ、良さを知って役立てて欲しい!と専門性を生かして活動しています。

2016年度からは、完全オリジナルの漢方やハーブのオンラインレッスンをスタート。毎回すぐにお申込みいただき、現在も継続開催中。
「やさしい言葉でわかりやすく、すぐに実践できる!」と好評いただいています。

■薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師
■JAMHA認定ハーバルセラピスト

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